手を出してはいけない作戦

突然ですが、厚さ1mmの広大な面積の厚紙を半分、半分と折り重ねていくとき、何回折った時点で富士山の高さを超えるでしょうか?
ちなみに富士山の高さは3776mです。
選択肢を設けましょう。

ア23回 イ123回 ウ223回 エ323回

正解は・・・

アの23回です。
この結果を受けて「え?」と思った方は意外と多いと思います。
ここには1mmが2mm、4mmになり、8mm、16mm、32mmと、次々と2倍していくというカラクリがあるわけです。
したがって、この操作を23回繰り返した時点で、この厚紙の高さは「2の22乗」となるのです。
こう考えると、かなりの高さがイメージできるのではないでしょうか。
富士山の高さ3776m=3776000mm、2の22乗=4194304mmですから実際23回目の操作で富士山の高さを優に超えているのです。
ということで、何の話をしたいかと言うと、競馬でたまに耳にする「倍々コロガシ作戦」という戦術について考察したいがために、この珍妙な例題を紹介したのです。
「倍々コロガシ作戦」をご存知ない方のためにこの戦術について少し説明を加えますと、次の通りになります。

まず、1番人気馬の単勝馬券を100円購入します。
これが的中したらその時点で終了。
的中しなければ、次のレースで100円×2=200円分の1番人気の単勝馬券を購入します。
これが的中すれば終了。
不的中ならまた次のレースで200円×2=400円分の1番人気の単勝馬券を購入・・・

という具合に、的中するまで次々とこの操作を続けるのが「倍々コロガシ作戦」です。
ロジックとしては「2倍以上のオッズを付けていれば、どのレースで的中しても必ずプラスになる」という、額を度外視すれば「プラス」で終えることができるための手堅い作戦であるということが言えます。
しかし、忘れてはならない事実があります。
それが先ほどチャレンジしていただいた富士山の「難問」です。
波乱続出の日にこの戦術を使ってしまうと、賭け金はあっという間に跳ね上がってしまいます。
レースを追うごとに、100円、200円、400円、800円、1600円、3200円、6400円、12800円、25600円、51200円、102400円、204800円と、1日中1番人気の馬が飛び続けてしまうと、軽く40万円超の損失となるわけです。
的中してプラスで終えたとしても単勝1番人気の払い戻しにすぎないわけですから、「期待値」という観点では、この方法は「ハイリスクローリターン」という、一番手を出してはいけない作戦と考えられるかもしれません。

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